シュクメルリなど、日本でも徐々に知名度を上げつつあるジョージア料理をご紹介します。
この記事では、ジョージア料理の紹介だけでなく、その料理の背景やオススメのお店まで知ることができます。
東西の文化が融合しており、食にも「ヨーロッパっぽさ」「アジアっぽさ」の両方を感じることができる、美味しくて面白いジョージア料理。
この記事を読めば、あなたもジョージアン・グルメの虜になること間違いなし!
「ジョージアに興味がある」「食べることが大好き」「食と文化の関わりに興味がある」という方は、ぜひこの記事をお見逃しなく。
一緒にジョージアの食の旅に出かけましょう!
1.食べ物
前提として、ジョージアの食べ物はほぼすべて味が濃い目です。
これは、世界最古のワイン醸造地であることや、ジョージア人が昼間っからワインを飲んだくれるために、お酒ありきの味付けになっているためです。
食べたらお酒が飲みたくなること間違いなしですので、あらかじめお酒を頼んでおきましょう笑
また「すぐにはジョージアに行けないけど食べてみたい!」という方向けに、各料理の作り方のリンクも載せています。
①シュクメルリ
こちらは日本でも、「松屋」や「ファミリーマート」で売り出されていましたので、有名かと思います。
「世界一ニンニクを美味しく食べる料理」として有名なシュクメルリです。
もし日本で食べたことがある方がいれば、「ニンニク風味のチーズシチューっぽい食べ物」というイメージではないでしょうか?
日本のシュクメルリは、平日にニンニクをあまり食べない日本人を考慮してなのか、ニンニクの味が控えめで代わりにチーズが入っていたり、色んな具材が入っていたりします。
しかし、ジョージアのシュクメルリは、ニンニクと脂を楽しむための料理、言わば「ヨーロピアン二郎」といった味です。
実際食べてみると、ガツンとしたニンニクの味に衝撃を受けると思います。
正直、日本のシュクメルリとは全くの別物です。(日本のものは、それはそれで良さがありますが)
日本では身近な料理を目指した路線で売り出されていますが、ジョージアではシュクメルリはハレの日に食べるものです。
だからこそ、鶏をまるっと一匹使ったり、大きな土鍋でそのまま提供されたり、味だけでなく見た目もインパクトがある一品となっています。
鶏肉自体については正直可もなく不可もなく、という味です。(肉質はやや固めでした)
おそらく味付けが濃いので、上等な肉を使わなくても美味しくなるのでしょう。笑
ソースがとても美味しくて、サラッとしたミルクスープの見た目ですが、ニンニクのガツンとした味に加えて、鶏の骨などの出汁がスープの旨味を支えています。
非常にインパクトのある一品ですので、日本で食べて「普通かな…」と思った方も、ぜひ食べてみてください!
<私達が行ったお店> Churi(トビリシ・ステーションスクエア近く) 物価が安くないジョージアで、お財布に優しいお値段でいろいろ食べられるお店。 日本人の間で話題のお店です。 シュクメルリは22ラリ(約1,188円)でした。 他のお店では20%ほどサービス料がかかることが多いですが、このお店は10%で助かりました。 ちなみにGoogleMapの位置が微妙にずれています。 十字路の角っこのお店ではなくて、その隣です。
■シュクメルリの作り方
World Cousine – シュクメルリ
②ヒンカリ
これは非常に興味深い料理です。
見た目は明らかに小籠包なのですが、蒸すのではなく、お湯で茹でて作られます。
また、中身の具材が肉以外に、きのこ類やポテト、チーズまであります。
そして意外にも、肉よりそういった具材のほうが美味しいのです。笑
ヒンカリは小籠包に見た目が似ていますが、大きさは小籠包の3〜4倍ほどあります。
そしてジョージアには箸文化はありません…
つまり何が言いたいかと言うと、どうやって食べればいいんだ⁉ってなるということです。笑
ヒンカリ屋さんに行くと、ナイフとフォークが出されますが、肉汁がもったいないことになるのは目に見えています。
どう食べるのかと言うと、手で食べます。
頭の部分を手で持ち、ひっくり返して一口かぶりつき、肉汁をすすります。
その後、普通に食べていきます。手で持っている頭の部分は最後まで食べません。
店側も食べないことを見込んで、頭の部分は茹でていません。
ジョージアはその昔、モンゴル帝国に攻め込まれ、陥落しています。
その時、ボーズ(小籠包みたいなモンゴル料理)が伝わりました。
でも、その時箸までは伝えてくれなかったようですね。笑
東西の文化が融合しているジョージアらしい料理です。
<私達が行ったお店> Klike's Khinkali(トビリシ・リバティスクエア近く) 人気のヒンカリ専門店です。 開店時間に癖があるようですのでご注意ください。 (日によって開店する時間が違う?) ヒンカリ専門店なだけあって、色々な種類のヒンカリが1つあたり1.6GEL(約86円)から食べられます。 おすすめは、きのこのヒンカリです。 お酒が苦手な方はぜひ、Laghidze Water(ソーダ)のチェリーとチョコレートを試してみてください! ヒンカリは食べきれなかった場合、テイクアウト(Take away)することもできます。
■ヒンカリの作り方
世界の地方料理 – ヒンカリ
③ハチャプリ
続いては、まるでジブリ飯のような見た目のハチャプリです。
ハチャ=チーズ、プリ=パンということで、ジョージアのチーズパンの総称ですが、
日本ではボート型のパンに卵がオンされた、アルジャリ=ハチャプリが有名です。
(他にもハチャプリはいくつもの種類があります)
ジブリ飯のような見た目とは裏腹にカロリーおばけな食べ物で、うかつにチャレンジするとノックアウトされてしまうでしょう。笑
ただ、チーズとバターと卵の組み合わせは間違いなく美味しいです。
加えて、ボート型のパンがサクサクで生地単体で食べても十分美味しいです!
ちなみに、だいぶ塩っけが強いです!
お腹を空かせて、飲み物をしっかり準備した上で臨んでください。
<私達が行ったお店> The Artisan Khachapuri Bakery(トビリシ・リバティスクエア近く) いろんな種類のハチャプリが食べられるお店です。 店内は席数少なめですが、外に置いてあるテーブルで食べることもできます。 目の前で焼いてくれるので、ワクワクしながら待てますよ!
■ハチャプリの作り方
クラシル – アジャルリハチャプリ
④オジャフリ
ジョージア風ジャーマンポテトです。
これまでの料理に比べて、若干見た目が地味なのですが、これもジョージアらしさを感じて面白いなと思った一品です。
塩コショウ以外にスパイス、ワインビネガー、パクチーがふんだんに使われ、ヨーロッパ系とアジア系の味が融合した、何とも興味深い味付けになっています。
豚肉も入っており、こってり×濃いめのエスニックなのですが、それをワインビネガーがさっぱりとまとめあげています。
見た目だけ見れば、なんか日本でも普通にありそう…となるのですが、実際食べてみると予想した味と異なり、箸とお酒が止まらないメニューです。
<私達が行ったお店> Churi(トビリシ・ステーションスクエア近く) オジャフリもChuriで食べました。20GEL(約1,080円)でした。 ワインビネガーを吸った玉ねぎが特に美味しかったです。
■オジャフリの作り方
ティラキタレシピ – オジャフリ
⑤プハリ
最後にご紹介するのはプハリです。
不思議な見た目ですが、こちらはほうれん草をくるみペースト・パクチー・ニンニクで和えたものです。
味としてはややスパイシーで、相当クリーミーな白あえといったイメージです。
この料理が一番、見た目から予想しづらい味をしていて、実はかなりエスニックでガツンとした印象を受けます。
そして、前菜なのにお酒が進む…!
超地味な見た目からの味のギャップがすごい料理ですので、ぜひ一度ご賞味ください!
<私達が行ったお店> Churi(トビリシ・ステーションスクエア近く) プハリもChuriです。笑 8GEL(約430円)でした。 前菜ですが、かなりの量が出てくるので、頼み過ぎに注意です。
■プハリの作り方
世界の地方料理 – プハリ
2.飲み物
続いては飲み物です!
ジョージア料理とお酒は切っても切り離せませんので、料理を食べるときはお酒も忘れずに!!
①ワイン
冒頭でも書きましたが、ジョージアは最古のワイン醸造地です。
そして国際的にメジャーな品種(『カベルネ・ソーヴィニヨン』、『シャルドネ』など)よりも、マイナーな品種が重視されており、ぶどう自体の品種が実に500以上もあります。
ジョージアの伝統的な製法はクヴェヴリ製法という、土鍋を地中に掘った穴に入れて寝かせます。
(通常は樽に入れて、貯蔵室で寝かせます)
この製法はワインづくりにとって最適な低温で醸造することができ、土鍋の形状から中で自動的に対流が起きやすく、かき混ぜなくても実や皮の味がしっかり抽出されるようです。
ちなみにこの製法は世界無形文化遺産に登録されています。
ちなみにジョージアワインは白ワインでも皮などを一緒に入れてワインを作るので、色が白というよりオレンジっぽく、「オレンジワイン」や「アンバーワイン」とも呼ばれます。
前置きが長くなりましたが、実際飲んでみるとジョージアワインは雑味が少なく、味がしっかり目のものが多いように感じました。
ソムリエの人曰く、しっかりした味のワインを飲む時は強いアテを食べて、口の中をリフレッシュするんだとか。
また、渋めの味と表現されることが多いようですが、決して飲みにくいわけではなく、ワインの旨味がしっかりでていて、なおかつクリアで飲みやすい味でした。
また、ジョージアワインは他のワインと比べて、「セミスイート」でもかなり甘いそうです。
これは、クヴェヴリ製法により砂糖を入れなくてもしっかり甘みが出るからだそうです。
ワインを甘くする方法の一つとして、冷却して発酵を緩やかにする(=糖分がアルコールになるのを緩やかにする)方法がありますが、
もともと地中に埋まっていて温度が低めのクヴェヴリ製法に、更にその地中に氷を定期的に入れて冷やすんだそうです。
自然な甘みを感じられて美味しいのですが、手間がかかっている分お値段はお高めです。
ジョージアの方々は皆さん料理と一緒にワインを楽しんでいますし、真っ昼間でも飲んでいます。笑
この国に来たらワインを普段飲まない方でも、ぜひ一度飲んでみてください!
<私達が行ったお店> 名称不明のワインセラー Airbnbの「体験」ページで見つけました。 約2,000円で5種類のワインとチャチャのテイスティングができてお得でした。 歴史的で素敵な内装のワインセラーです。 英語が少し早くて聞き取るのに苦戦しましたが、いろいろ説明してくれて親切なお店でした。 ■Airbnbのページhttps://abnb.me/IiYeprwxXzb
■ジョージアの中でも、最古のワイン醸造地カヘティ地方に行くツアーもあります
②チャチャ
ジョージア発祥のお酒で、ぶどうから作られるウォッカのことをチャチャと呼びます。
このチャチャ、味の説明をする前に一言言わせてください。
めちゃめちゃ強いお酒です…!!!
私達が頂いたチャチャはアルコール度数が65%だったそうです。
一口で意識が飛ぶかと思いました笑
香りはウッディな感じの良い匂いで、アルコールの強さを度外視すると、ぶどうから作られているだけあって、華やかでフルーティな印象です。
(とはいえ、記憶に強く残っているのはアルコールの強いパンチですが)
アルコールが苦手な方にはおすすめできませんが、ジョージア以外ではなかなか味わえないと思いますので、ぜひ一度試してみてください!
※行ったお店はワインと同じです
3.その他
①ワインソフトクリーム
おまけになるのですが、ワイン大好きジョージアらしいものを紹介します。
ワインソフトクリームというものがトビリシの温泉街で売っています。
これが結構美味しいのでおすすめです。
見た目のインパクトも強いのですが、ワインの香りが広がる感じでとても華やかなソフトクリームです。
アルコールはおそらく入っていないので、お酒が苦手な人でも楽しめます。
<私達が行ったお店> レグフタケヴィ滝の近くの小屋みたいなソフトクリーム屋さん 滝までの遊歩道の途中にあります。 Chreli Abanoの温泉より橋を渡って、さらに奥に行ったところです。
■お隣トルコはグルメ大国!こちらもぜひどうぞ!
4.まとめ
いかがでしたでしょうか。
ジョージア料理とっても面白くないですか?
ヨーロッパっぽさとアジアっぽさが融合していて、これはジョージアならではだなと思うものがたくさんです。
皆さんもぜひ、東西文化の融合地点ジョージアに足を運んでみてください!
■Youtubeでもご紹介しています
■ジョージアに来たなら、トビリシの温泉街でゆったりくつろぐのはいかがですか?
コメント