フランスといえばワインが有名ですが、その中でもワインの聖地と呼ばれている、サンテミリオンについてご紹介します。
サンテミリオンは、ワイン名産地であるボルドーから非常に近いので、ボルドーに宿泊するならぜひセットで訪れたいところです。
ツアーではなく、個人手配で行く場合のボルドーからの行き方、サンテミリオン村の見どころ、シャトー見学方法をご紹介します。
※この記事は2023年10月時点のレート、1ユーロ=約160円で計算しています。
目次
1.サンテミリオンとは
フランスの南西部の都市、ボルドーから約20km東に位置する村がサンテミリオンです。
8世紀ごろ聖人エミリオンがこの地に移り住んだことから、Saint-Emilion(聖エミリオン)→サンテミリオンと呼ばれるようになりました。
ボルドーと同じく、ワインの生産地として非常に有名で、1999年にワインの生産地として世界で初めて、世界遺産に登録されています。
ワインの名産地であるだけではなく、中世の街並みを残す場所でもあり、かつての城壁やヨーロッパ最大の一枚岩教会など、多くの見所があります。
また街のすぐ外には葡萄畑が広がり、のどかなフランスの田舎をたっぷり堪能することもできます。
The・中世ヨーロッパの村って感じでとても良かったです!
また、サンテミリオン村にはたくさんのレストランやワインショップがあるので、お金に余裕のある方は、ぜひゆったりと楽しまれてはいかがでしょうか?
■サンテミリオンの観光の様子をYoutubeでもご紹介しています!
2.サンテミリオンのワイン
すぐそばを流れるドルドーニュ川が運んでくる粘土石灰質の土、そして1日の中での寒暖差が大きい気候がワイン作りに適しており、古くからワインが作られています。
その歴史はなんと、古代ローマ時代にまで遡ります。
現在では約900ものシャトー(ワイン醸造所)が周辺にありますが、これは一大ワイン生産地ボルドーの約10%に当たります。
小さなサンテミリオンの村で10%も占めているというのは驚きですね。
サンテミリオンで多く生産されるワインは、メルローが主体でカベルネ・ソーヴィニヨンなどがブレンドされる、赤のフルボディです。
サンテミリオンは独自の審査を行い、シャトーの格付けをしていますが、
最上位格付けの常連は
シャトー・オーゾンヌ
シャトー・アンジェリーナ
シャトー・パティー
の3つです。
3.行き方
ボルドーからサンテミリオンに行く場合、下記2通りの方法があります。
①電車で1本
②電車→バスに乗り換え
どちらもSaint-Jean駅発です。
街の東側に宿泊している場合は、途中停車駅のCenon駅から乗っても構いません。
①の電車で1本の方がもちろん楽なのですが、②の電車とバスを乗り継いで行く方が、時間の都合上良いこともあります。
私は行きは①、帰りは②で行きました。
■フランス国鉄HPで電車の時刻を調べられます(予約もできる様子)
https://www.sncf.com/en
料金
電車とバスのセットで往復20.8ユーロ(約3,328円)
交通所要時間
約1時間
3-1.それぞれの行程
①電車で1本の行程
電車でボルドー(Bordeaux)のSain-Jean駅からサンテミリオン(Saint-Emilion)の電車駅まで行きます。
サンテミリオンの電車駅はサンテミリオン村から少し離れているので、駅から20分強ほど歩くことになります。
②電車→バスに乗り換えの行程
電車でボルドー(Bordeaux)のSain-Jean駅からリボルヌ(Libourne)まで行き、リボルヌでバスに乗り換えます。
※バスはリボルヌの駅を出て目の前に停車しています。
リボルヌで降りる人の大半はサンテミリオン行きの人です。
バスはサンテミリオン(Saint-Emilion)の電車駅まで行ってくれます。
サンテミリオンの電車駅からは、20分強ほど歩くことになります。
■Saint-Jean駅
■Libourne駅
■Saint-Emilion駅
3-2.チケットの買い方
公式HPで予約もできるようですが、私はSaint-Jean駅で直接券売機から購入しました。
券売機での買い方を記載しておきます。
■フランス国鉄HPで電車の時刻を調べられます(予約もできる様子)
https://www.sncf.com/en
チケットの買い方の詳しい手順を飛ばして、次章を読みたい場合は4.観光スポットを押してください。
①言語をEnglishに切り替え、Buy a ticketを選択
②すぐ乗るか、後日乗るか選択
出発直前に購入される場合は「Leave now」、後日出発分を購入される場合は「Leave later」を選択します。
③SNCFアカウントのログインをするかどうか選択
SNCF(フランス国鉄)のアカウントがある場合、割引があります。
その場合は「Continue without logging on」を選択せずにログインしてください。
大抵の方は持っていないと思いますので、その場合は「Continue without logging on」を選択してください。
④出発駅を選択
Saint-Jean駅から出発する場合は「BORDEAUX ST JEAN」を選択します。
その他の駅から乗る場合は「OTHER」を選択して、駅名を入力します。
⑤到着駅を選択
おそらく選択肢にはSaint-Emilionが出てこないので、「OTHER」を選択します。
⑥駅名入力でSaint-Emilionを選択
「SAINT E」まで入力すると、検索候補にSaint-Emilionが出てきますので、クリックします。
※Saintは「ST」ではないので注意!
⑦日付を選択
⑧片道か往復か選択
ボルドーに戻ってくるなら、往復の「RETURN」を選択しましょう。
ちなみに、サンテミリオンは無人駅です。
⑨帰りの電車の日付を選択
⑩電車のクラスを選択
「2ND CLASS」は普通クラスです。
私は2ND CLASSで行きました。
⑪利用者の属性を選択
車椅子利用の方や、自転車・ペットと一緒に乗る方などの選択をします。
上記に当てはまらなければ、「ONE OR SEVERAL PASSENGERS」を選択します。
⑫利用人数を選択
⑬利用者の年齢を選択
⑭割引コード等の入力
基本ないと思いますので、ない場合は「NO REDUCTION」を選択します。
⑮チケットの選択
電車の発車時刻と、簡単な行程が書いてあります。
ここで、電車1本または電車+バスの行程を確認しつつ、チケットを選択します。
電車+バスの場合、バスも込みのチケットとなります。
⑯往復の行程を確認
行程を確認し、問題なければ右下の「COMPLETE ORDER」を選択します。
⑰確認メール等の連絡先の入力
不要の場合、空欄のまま「VALIDATE」を押下します。
必要があれば、メールアドレスと電話番号を入力の上、「VALIDATE」を押下します。
⑱お支払い
支払いはクレジットカードで行います。
4.観光スポット
サンテミリオンに着いたら、まずはツーリストインフォメーションに向かいましょう。
ツーリストインフォメーションでは、無料マップはもちろん、その日に見学できるシャトーを教えてくれたり、プチトラン(シャトー見学のためのトラム)のチケットを買うことができます。
公式HPはこちらです。
ちょっと不自然ですが、日本語もあります。
■公式HP(日本語対応していないページもあります)
https://www.saint-emilion-tourisme.com/v-jp/
■公式HP サンテミリオン地図
https://www.saint-emilion-tourisme.com/en/explorer/22-raisons-de-venir
※ツーリストインフォメーションではもっと詳しい地図がもらえます!
■ツーリストインフォメーション
4-1.モノリス教会
サンテミリオンで一番の観光スポットはこのモノリス教会です。
この教会は12世紀初めに巨大な一枚岩をくり抜いて作られた教会です。
中世ヨーロッパ最大の教会で、たしかにかなり大きかったです。
この教会に付属する鐘楼はなんと68mもあり、かなり高いです。
196段もあるので登るのは疲れますが、鐘楼からはサンテミリオンの街が一望できます。
モノリス教会の中はガイドツアーでのみ見学可能です。
営業時間
【モノリス教会】
ガイドツアーに準ずる
※オフシーズンは月、火はガイドツアーは開催されません。
■ガイドツアー予約サイトはこちら
https://boutique.saint-emilion-tourisme.com/visite-village-saint-emilion/saint-emilion-souterrain?l=EN
【鐘楼】
不明
※普段は施錠されているため、ツーリストインフォメーションで鐘楼に登りたい旨を伝える必要があります。
入場料
【モノリス教会 ガイドツアー】
一般…15ユーロ
6〜17歳…8ユーロ
5歳以下…無料
■ガイドツアー予約サイトはこちら
https://boutique.saint-emilion-tourisme.com/visite-village-saint-emilion/saint-emilion-souterrain?l=EN
【鐘楼 入場料】
1人2ユーロ
4-2.参事会教会
美しい回廊がある、ツーリストインフォメーションに隣接する参事会教会(コレジアル教会)です。
12世紀から16世紀にかけて建設されたこの教会は、その建設期間の長さゆえ、ロマネスク様式とゴシック様式を併せ持つ建築様式となっています。
そして、この教会で一番有名なものは回廊とその壁に描かれた、現代的な絵です。
なんかピカソっぽいような、フレスコ画っぽいような不思議な絵です。
画家フランソワ・ペルティエ作の『黙示録』という作品だそうです。
私はかなり気に入って、サンテミリオン観光中に何回も見に来てしまいました。笑
営業時間
不明
入場料
なし
4-3.王の塔
サンテミリオン村の西側にある大きな塔が王の塔です。
王の塔という名前はついているものの、実際のところ、これが記念塔なのか、戦に備えた物見やぐら的な塔だったのか、その用途はわかっていません。
さらには、建てた人物が誰かもわかっていないのです。
フランス王室が建てたという説もあれば、イギリスに占領されている時代に建てられたという説もあります。
(もしくはイギリスでもフランスでもない、など)
謎が残る王の塔は、塔からの眺望の良さでも有名です。
高さは14.5m程で階段数は118段ですが、この塔が立っている地面が結構高い位置にあるので、登るとサンテミリオンの街を一望できます。
■公式HP
https://www.saint-emilion-tourisme.com/uk/1-discover/31-12-must-see-monuments/2-the-king-s-keep.html
営業時間
週末の13:45〜17:00
料金
2ユーロ
※ただし、5歳以下は無料
4-4.グレートウォール
サンテミリオンの村の北側には、畑が広がっており、その中にドンっと大きな壁グレートウォールがあります。
この壁はドミニコ会修道院の名残の壁です。
イギリスとフランスの間で起こった百年戦争(1337−1453年)の間に、ここにあった修道院は城壁外を見張る展望台となり、避難所でもありました。
しかし、あまりにも城壁から近すぎたため、修道院は放棄され、現在ではこの壁が残るのみとなっています。
写真じゃ伝わりづらいのですが、この壁とても大きいです。
畑にポツンとあるものですから、その奇妙な光景になんだか見入ってしまいます。
まるで熊野の大斎原(大鳥居)のような、不思議な魅力がありました。
■公式HP
https://www.saint-emilion-tourisme.com/uk/1-discover/31-12-must-see-monuments/6-the-great-wall.html
営業時間
なし
料金
なし
4-5.ウォッシュハウス(グランドフォンテーヌ)
19世紀に洗濯場として建設された公共の池がウォッシュハウス(グランドフォンテーヌ)です。
現在では観賞用の小さな池となっていますが、8世紀に奇跡的に現れた泉の水がこの池に流れています。
洗濯場として使われていた頃、この池は婦人の交流の場でもありました。
お洗濯をしながら、女性同士で雑談をしたり、助け合ったりしたのですね。
実はウォッシュハウスは2箇所あります。
王の塔の近くと、その数m離れた場所にある2つです。
(残念ながら、Google mapsには王の塔の近くしか載っていません)
王の塔の近くは上流階級の洗濯場であり、もう一つの方は庶民の洗濯場だったようです。
サンテミリオンは円形劇場のように、村の外側に行くほど土地が高くなっています。
そして、高い土地に住む人々は上流階級の人々でした。
そのため、このように2箇所に洗濯場が設けられたと考えられます。
■公式HP
https://www.saint-emilion-tourisme.com/uk/1-discover/31-12-must-see-monuments/7-the-wash-houses.html
営業時間
なし
料金
なし
4-6.カドンヌ門
モノリス教会を東へ進むと、上部がアーチ型になっている門が見えてきます。
これがカドンヌ門です。
この門に至る道は結構な勾配の坂道になっているのですが、この坂道がサンテミリオンの中で上流階級の人が暮らす地域と、一般階級の人が暮らす地域を繋いていました。
カドンヌ門から上は上流階級(宗教的)、下は一般階級(世俗的)というように隔てられていたのです。
こういった上流階級と一般階級をつなぐ坂道はここ以外にも何箇所かあります。
ちなみに、このアーチに隣接した家はサンテミリオンで唯一残る木組みの家なんだそうです。
(見た目めっちゃレンガなので、わかりづらいですね笑)
営業時間
なし
料金
なし
4-7.マカロン
実は昔のマカロンというのは、地域ごとにそれぞれレシピがあったらしく、ここサンテミリオンでもオリジナルのマカロンが作られていました。
サンテミリオンのマカロンはサンドの形ではなく、クッキーのような形をしています。
一般的にイメージするマカロンと違って、ジャムやチョコ、クリーム等は入っていないのがスタンダードで、生地を味わうタイプのマカロンです。
いくつかマカロンのお店はありますが、私はMacarons de Saint-Émilion – Nadia Fermigierというお店に伺いました。
アーモンドプードルの生地を味わう小さいマカロンも美味しかったですし、同じ生地でチョコレートをサンドしてある大きめなマカロンもとても美味しかったです!
4-8.コルデリエの回廊
城壁近くのドミニコ会修道院が壊された後、フランシスコ会によって14世紀後半に修道院が作られました。
この修道院は教会、庭園、ワイナリーなどの部分がありますが、一番有名なのは美しい回廊です。
フランス革命の際の宗教弾圧により、この修道院は1791年に売り飛ばされました。
そして、現在ではスパークリングワインの製造所となっています。
この回廊はレストラカフェが併設されており、紅茶やコーヒーを飲みながら、美しい回廊を眺める事ができます。
■サンテミリオン公式HP
https://www.saint-emilion-tourisme.com/uk/1-discover/31-12-must-see-monuments/8-the-cordeliers-cloister.html
■コルデリエ ワイン製造所 公式HP
https://www.lescordeliers.com/en/
営業時間
10:30〜18:00
入場料
【回廊】
なし
※ただし、レストランカフェの利用が必要。週末及びクリスマス期間は無料で回廊に入れます。
【ガイドツアー】
地下室やワインセラー、スパークリングワイン製造の見学ができるツアー
大人:13.5ユーロ
10〜17歳:12ユーロ
9歳以下:無料
※11月〜3月はガイドツアーは開催されません。
■ガイドツアーの詳細、予約はこちら
https://www.lescordeliers.com/en/content/14-visits
5.シャトー見学方法
5-1.事前予約方法
シャトー見学を事前予約する方法は3つあります。
①シャトーHPより直接予約
②サンテミリオン村公式HPより予約
③Get your guideより予約
有名シャトーに行きたい場合、もしくは行きたいシャトーが決まっている場合は①で探しましょう。
ただ、有名シャトーは非常に人気があるため、数ヶ月前でも予約がいっぱいになっていることがあります。
行きたいところがある場合は早めに予約しましょう!
もし、特に心に決めたシャトーがない場合は②③の方法で探しましょう。
②③はどちらで探しても構いませんが、Get your guideは一度見てみることをオススメします。
というのも、シャトー見学以外にもたくさんのツアーが表示されるので、サンテミリオンでどんな種類のツアーがあるのか知っておくことができます。
②サンテミリオン村公式HP
https://boutique.saint-emilion-tourisme.com/en/tours-tasting-wine-estate
③Get your guide
私が予約したシャトーは下記のサン・ジョルジュコートパヴィです。
シャトー見学とワインのテイスティング3種を体験できました。
親切なガイドさんでわかりやすかったです。
17ユーロ(約2,720円)とお手頃な料金で、テイスティングワインも美味しくて満足でした!
5-2.当日予約方法
もちろん事前に予約しておくに越したことはないのですが…
気づいたのが当日だった!ということもあるかもしれません。
そういった場合はサンテミリオンについたらすぐ、ツーリストインフォメーションへ行きましょう。
ツーリストインフォメーションでは、その日見学可能なシャトーが黒板に書かれています。
気になるものがあったら、スタッフの方に聞いてみましょう。
※ちなみに、前日までであればGet your guideなら予約できるかもしれません。
6.まとめ
サンテミリオンはフランス・ボルドーの中でも有数のワイン名産地です。
独自の格付け基準を持ち、村全体でワイン造りに精魂込めて営んでいます。
そんなサンテミリオンに行ったらワインテイスティングはもちろん、中世の雰囲気漂う街を心ゆくま楽しんでいただきたいです。
サンテミリオンは人気の観光地ですので、シャトー見学やワインテイスティングの予約はお早めにされることをオススメします!
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