デルフィ遺跡は世界の中心と言われている場所で、予言の神アポロンの信託を求めて、古代は人々がこぞってやってきた場所です。
世界遺産にも登録されており、ギリシャ屈指の人気観光地です。
今回はアテネからローカルバスを利用してデルフィ遺跡へ行く方法をご紹介します。
あわせて、チケットの料金や見どころ、注意点などもご紹介します。
デルフィ遺跡の観光を考えている方はぜひご一読ください!
※この記事は2023/07時点のレート、1ユーロ=157円で記載しています。
目次
1.デルフィ遺跡とは
古代ギリシャの遺跡で、紀元前500年ごろに作られたものです。
デルフィは古代に世界の中心と考えられていました。
ギリシャ神話で、ゼウスが世界の中心を決めるために2匹の鷲を放った、という話があります。
それぞれ反対方向に飛んでいった鷲が世界を半周して再会した場所がデルフィだったため、世界の中心と決められたのです。
また、デルフィで最も重要な場所としてアポロン神殿があります。
アポロンは予言の神様であったため、信託の場所として厚く信仰されていました。
アポロンの信託を授かるために、世界中から人々がやってきたり、あらゆる国が宝物を捧げたほどです。
このように、神話としても、実際の歴史としても名実ともに古代世界の中心であったのがこのデルフィ遺跡です。
2.アポロンとは
デルフィ遺跡で最も重要な場所はアポロン神殿です。
そのため、デルフィ遺跡に行く際はアポロンについての知識を入れてから行くことをオススメします。
アポロンはゼウスと女神レトの子で、双子の姉としてアルテミスがいます。
アポロンは太陽、弓、医学、音楽、予言の神様であり、アルテミスは月、狩猟、貞節、出産の神様です。
神話の中でアポロンの予言に関するものと言えば、トロイ戦争に出てくる王女・カッサンドラとの話が有名です。
■カッサンドラの縁の地、トロイ遺跡の記事はこちら
3.デルフィ遺跡への行き方・帰り方
デルフィ遺跡はアテネのLiosionバスターミナルより、ローカルバスで行くことができます。
時間は約3時間で、片道1人15.1ユーロ(約2,370円)です。
クレジットカードでの支払いも対応していました。
3-1.行き方
宿泊先から市バスやメトロに乗って、Liosionバスターミナルまで行きましょう。
Liosionバスターミナルは大きめのバスターミナルなので、パンなどの軽食を購入することもできます。トイレも無料で、トイレットペーパーもちゃんとついていました。
チケットは当日バスターミナルで購入することも、事前にオンラインで購入することもできます。
それぞれ注意点としては、下記の通りです。
<バスターミナルで購入する場合> デルフィ行きのバスは割と利用者が多いようです。 実際私が利用した日は平日(火曜)でしたが、9割以上の席が埋まっていました。 私はバスの発車時刻の20分前に購入できましたが、土日など売り切れている日もあるかもしれません。 なるべく早めに行って購入することをオススメします。
<オンラインで購入する場合> チケットの発券が必要となる場合があります。 購入時の注意書きをよく読んでください。 ちなみに、他の人のブログでは「発券しないといけない」と見ましたが、実際乗り合わせた人は携帯の画面だけでも乗れていました。 しかし、可能であれば少し早めに行って、チケット売り場の人に発券してもらう方が安心です。
ちなみに、どちらにしても帰りのチケットも一緒に買っておいてください。
おそらくデルフィでも買えると思いますが、帰りのバスも利用者が多いので、後に回すと満席になる恐れがあります。
◾️アテネ⇔デルフィ 時刻表
KTEL fokidas – アテネ⇔デルフィ 時刻表
◾️オンラインチケットサイト
KTEL fokidas – オンラインチケット
■Liosion バスターミナル
デルフィのバス停に着くと、どこにも遺跡の看板が出ていないので、どの方向に進めば良いか迷うと思います。
実際私たちも、同じバスに乗っていた他の乗客も、迷って道を間違えました。
着いた後は、道を下るのが正解です。
特別な周り道などはなく、GoogleMapを見て博物館のある方に進めば、約5分ほどで博物館と遺跡にたどり着くことができます。(博物館の敷地を通って遺跡への入り口へ行くことができます)
■デルフィ 考古学博物館
3-2.帰り方
帰りのバス停も、行きで降りた場所と同じです。
バス停らしきものがないのでどこで待てばいいんだろう…となると思いますが、ここで待ってれば大丈夫です。
ちなみに、デルフィ遺跡・博物館の所要時間は3時間ほどでした。
■デルフィ バス停
3-1.行き方 でも記載しましたが、帰りのバスチケットは行きのチケットと同時に買っておいてください。
利用客が多いので満席になる可能性があります。
◾️デルフィ⇔アテネ 時刻表
KTEL fokidas – デルフィ⇔アテネ 時刻表
■アテネの観光・交通情報まとめはこちら!
■ツアーで行く場合はこちらからお申し込みできます
4.料金・営業時間
デルフィ遺跡、博物館の料金・営業時間は下記の通りです。
<料金>
1人12ユーロ(約1,900円)
<博物館 営業時間>
火曜日以外 08:00〜20:00(最終入場19:30)
火曜日 10:00〜17:00(最終入場16:40)
※9/1以降閉まる時間が30分ずつ早くなります。
詳しくは下記◾️ギリシャの主要遺跡の総合サイトをご覧ください。
<遺跡 営業時間>
08:00〜20:00(最終入場19:40)
クレジットカードでの支払いも対応しています。
遺跡と博物館がセットになっていますので、無くさないようにお気をつけください。
またどちらも入場は一回きりです。
◾️ギリシャの主要遺跡の総合サイト
Hellenic heritage – Delphi
■デルフィ遺跡の公式サイト
デルフィ遺跡公式サイト
■アテネからのデイトリップなら、こちらもどうぞ!
5.見どころ
デルフィ遺跡は綺麗に残っているところが多く、見応えがあります。
また、入り口からどんどん上に登っていく形になるので、つい先ほど見た遺跡がすぐ下に見えるのがまた面白いです。
そんなデルフィ遺跡の、私が思うおすすめのスポットを紹介します。
※アテナ人の宝庫は有名ですが、修復が完璧すぎてあまりピンと来なかったので外しています。
5-1.アポロン神殿
やはり1番はアポロン神殿です。
地震により、現在は床と柱が6本残るのみですが、それでも威厳があります。
この場所で歴史上の出来事の命運が決まったりしたんだと思うと、何とも言えない気持ちになります。
また、景観もとても美しいです。
歴史を感じさせる6本の柱と、奥に見える山々がとても画になります。
ちなみに、私が思うアポロン神殿のベストスポットは、下記のあたりです。
この神殿を間近で堪能した後は、ぜひ少し高い位置から見下ろしてみてください。
5-2.古代劇場
アポロン神殿のすぐ上に古代劇場があります。
非常に保存状態の良い劇場ですが、劇場内に入ることはできません。
この劇場とアポロン神殿のコラボレーションがまた美しいので、ぜひ劇場の上の道からアポロン神殿を見てみてください。
ちなみに、デルフィ遺跡をネットで検索していたところ、古代劇場は現在でも夏には利用されている…との記事が散見されました。
…が、私が見る限り現在も利用していそうにはとても見えませんでした。
ほんとに利用されているのでしょうか…謎です。
5-3.古代競技場
デルフィ遺跡を1番上まで登り切ると古代競技場あります。
長方形の競技場でスタートラインからフィニッシュラインまでは178.35mあります。
100m走でも長く感じるのに、それの約2倍ですから結構長いですね。
この古代競技場はピュッティア祭という競技大会で使用されていました。
ピュッティア祭は古代ギリシャにおいて、オリンピックの次に重要とされていた大会です。
ピュッティア祭では、短距離走・長距離走・円盤投げ・障害物競走・槍投げなどの競技が行われていました。
勝者には月桂樹の冠が贈られていたそうです。
月桂樹はアポロンのシンボルとなる樹ですので、やはりこの地のアポロン信仰が厚かったことがわかりますね。
5-4.ゼウスが投げた石
デルフィ遺跡にはなんと、ゼウスが投げたとされている石があります。
1.デルフィ遺跡とはで記載したように、ゼウスが2匹の鷲を放って世界の中心を決めました。
その定めた中心に向かって投げた石が、この遺跡にある石とされています。
実際見てみると結構大きく、直径が50cmほどあります。
また、形も非常にユニークです。
この石はへそ石と呼ばれています。
世界の中心=世界のへそということですね。
5-5.博物館
デルフィ遺跡に隣接して、デルフィ博物館があります。
この博物館はデルフィ遺跡の出土品を展示しているのですが、なかなか見応えがあります。
このデルフィ遺跡では数多くの彫刻が見つかっているようです。
インパクトのある双子の像や、神話の場面を描いた石板など、普通の博物館より見ていて面白いものが多いです。
帰りのバスの時間は余裕を持って予約する人が多いと思いますので、節約派の方はクーラーの効いたこの博物館で時間調整すると良いと思います。
私たちはここで時間を潰すつもりだったのですが、誘惑に負けて渓谷のカフェに入ってしまいました。笑
5-6.渓谷
実は遺跡だけでなく、遺跡の周りの山々や渓谷も景観が素晴らしいです。
バス停付近からは遠くの方に海と街も見えます。
バス停⇔遺跡の道は、ぜひ周りの自然を楽しんでください。
またバス停付近には多くのレストランやカフェがあります。
渓谷沿いの店はどの店も絶景だと思いますので、お金に余裕がある方は食事を楽しむのもありだと思います。
私たちも誘惑に負けて、カフェに入ってしまいました。(節約旅行なのに…笑)
アイスクリーム&フォンダンショコラ or アップルパイのセットで6.5ユーロ(約1,020円)でした。
やはりちょっとお高めです。
しかし、バスが来るギリギリまで、優雅に絶景を眺められたのでとても良かったです。
6.注意点
デルフィ遺跡の注意点は下記の通りです。
- 帰りのバスチケットは行きで購入しておく
- サングラス、帽子を持参する
- 歩きやすい靴、服装にする
- 水を持参する
バスチケットについては、3.デルフィ遺跡への行き方・帰り方で記載したように、帰りのバスが満席になる恐れがあるので、行きのチケット購入時に合わせて購入しましょう。
また、デルフィ遺跡は日差しが強いので、暑さ対策はしっかりしていきましょう。
そして1番の特徴として、この遺跡は緩やかに山を登っていく形になっていますので、靴にも注意しましょう。
できれば運動靴が望ましいです。
1番下から1番上の古代競技場まで行くには、だいたい20分ほどかかったと思います。
■アテネから日帰りで行ける絶景はいかがでしょうか?
7.まとめ
デルフィ遺跡はゼウスが定めた世界の中心であり、予言の神アポロンの信託を求めて、世界中から人が集まる場所でした。
そして現在では、保存状態の良い遺跡としてギリシャの中でもトップクラスの人気があります。
ツアーで行かれる方も多いと思いますが、ローカルバスでも簡単に行くことができます。
通常の旅行の方はもちろん、節約旅行の方も、ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
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