面白すぎる歴史を持つ、古代スパルタ王国をご存知ですか?
有名な「スパルタ教育」と聞くとピンとくる方も多いかもしれません。
この記事では、古代スパルタ王国の概要や逸話、そしてスパルタ遺跡への行き方や料金、見どころについてご紹介していきます。
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目次
1.スパルタ遺跡とは
古代スパルタ王国の遺跡で、ギリシャの南部、ペロポネソス半島の都市スパルティにある遺跡です。
スパルティの街の中にある遺跡で、中心部から歩いて20分ほどで行くことができます。
ギリシャの他の遺跡と比べると、かなり地味で公園みたいな雰囲気の遺跡です。笑
しかし、古代スパルタ王国は非常に面白い歴史を持つ国ですので、歴史を学んでから行くと、結構楽しめると思います。
2.古代スパルタ王国とは
古代スパルタ王国とは、紀元前5世紀〜紀元前2世紀頃の国で、古代ギリシャ世界で最強を誇っていた都市国家です。
「スパルタ教育」でおなじみかと思いますが、イメージ通り厳しい軍事教育がなされていた国です。
古代のスパルタ教育とは?
- 男性は全員軍人(軍人期間は20〜60歳!)
- 7歳から親元を離れて軍事教育
- 戦争では負けて帰ってくることは許されない
- 生まれたらすぐ「強い戦士になれそうか?」という選別がある
女性との結婚についても、ムキムキな女性が好まれていたようです。(強い子供が生まれそうだから)
古代スパルタ王国には、ギリシャ全体で英雄とされているレオニダス1世という王様がいました。
この王様の話もとても面白いです。
映画『300』はこのレオニダス王の戦いを描いた映画です。
3.スパルタ遺跡への行き方・帰り方
3−1.スパルティ→スパルタ遺跡への行き方
スパルタ遺跡はスパルティの街の中にありますので、中心部からは歩いて20分ほどの距離にあります。
小さな町ですので、中心部でなくても歩いて1時間以内でたどり着けると思います。
■スパルティから行けるもう一つの遺跡はこちら!
【感動する廃墟】ミストラ遺跡への行き方・料金・見どころなどご紹介!
■スパルタ遺跡
3−2.他の都市→スパルティの街への行き方
スパルティへの行き方ですが、アテネ以外からはかなり難しいです。
もともとは同じペロポネソス半島にある、ナフプリオかオリンピアの街から、スパルタに行こうと思ってましたが…どっちの都市からもスパルタへの直通バスはありません。
途中、カラマタという街を経由して行くことになりますが、カラマタ⇔スパルティは2日に1本しか便がないのです!!
アテネ→スパルティであれば、1日7便ほどバスがありますので、アテネから行ったほうが確実に楽です。
■カラマタ⇔スパルティ バス会社サイト(KTEL)
KTEL Messinias
■アテネ⇔スパルティ オンラインチケットサイト(KTEL)
KTEL Lakonias
スパルティに限らず、ペロポネソス半島は都市間のバスが不便なので、もし複数の都市を周遊したいならレンタカーがオススメです。
アテネ→スパルティのKTELの長距離バスチケットをオンラインで購入すれば、後は当日バスターミナルまで行ってバスに乗ればOKです。(乗り換えもなく1本でいけます。)
KTEL Lakoniasに限りませんが、ギリシャのバスは基本早めにバスステーションに行って、窓口で発券をしてもらってください。
バスのドライバーはチケット(紙)をチェックします。
アテネのバスターミナルについて
オンラインチケットには、バスステーション名は書いていないです。
アテネには2つ大きなバスステーションがありますので、どっちなのか結構迷いました。(LiosionとKifisou)
結果から言うと、Kifisouバスステーションでした。
KTEL Lakoniasにメールで問い合わせましたが、
「アテネのバスターミナルって言ったら基本Kifisouです」
と返ってきました。
(でもデルフィはLiosionでしたけど)
■Kifisouバスステーション
■アテネの観光・交通情報まとめはこちら!
4.料金・営業時間
スパルタ遺跡は半分公園みたいな場所なので、無料で入ることができます。
営業時間は夏季は8:00〜20:00です。(冬季は書かれておらず…)
5.見どころ
5-1.レオニダス王の像
この像がスパルタ王国で最も有名なレオニダス王の像です。
(詳細は2.古代スパルタ王国とはをご参照ください)
スパルタ遺跡の中ではありませんが、すぐ近くにこの像が立っています。
スパルティの街の人々の誇りなのでしょう、バイクに乗ったおじさんのヘルメットもこれと同じトサカ風でした。
ちなみに、テッサロニキでもアテネでもナフプリオでも、この兜が描かれたスパルタTシャツが売っていたので、やはりギリシャ全土で人気が高いようです。
(このトサカ風兜は、基本的にスパルタ軍のみ使用していたようです。)
■レオニダス王の像
5-2.アテナの聖域
ほとんど残っていませんが、ここが女神アテナの聖域です。
どの都市国家でも聖域というのは、国の中で一番高い位置に建っていますね。
ここスパルタでも、この地域が一番高い土地のようでした。
ちなみに、古代ギリシャの各都市国家では、女神アテナを祀っています。
なぜ女神アテナなのかというと、都市を守護するという役割の神様だからです。
ゼウスやポセイドン、ハデスなどの神様があまり祀られていないのは、それぞれ持つ役割が都市とは合わないからかもしれませんね。
ちなみに、古代ギリシャ全都市国家の聖域であるオリンピアにはゼウス神殿が、美しいエーゲ海を見渡すことができるスニオン岬にはポセイドン神殿があります。
5-3.古代劇場
アテナの聖域の下に見えるのが古代劇場です。
古代スパルタ王国にも劇場が存在し、宗教儀式等で使用されていたようです。
…が、この劇場は実は古代ギリシャ時代のものではありません。笑
この劇場は紀元前30年〜紀元後20年頃に建築されており、この時代のスパルタはローマ帝国の属州となっています。
そのため、作りがローマ風ですね。
この古代劇場と、次にご紹介するタイゲトス山脈のコラボが非常に美しいので、ぜひ見てみてください。
5-4.タイゲトス山脈
古代劇場の奥に見えるのがタイゲトス山脈です。
この山脈の見どころは美しさではなく、その逸話にあります。
こんなに美しい山なのですが、古代スパルタ王国では割りと恐怖の場所です。
なんと、スパルタでは赤ちゃんが生まれたらすぐに「強い戦士になれそうか?」という選別会があり、虚弱児と判断されると、このタイゲトス山から捨てられていた、という説があるのです。
ちなみに、スパルティの街はタイゲトス山脈以外にも周りを山々に囲まれており、とても自然豊かな場所です。
この自然要塞的な地理と、スパルタ人の屈強さ故、古代スパルタ王国には城壁がなかったそうです。
そのため、この遺跡にももちろん城壁はありません。
■Youtubeでもご紹介しています
6.注意点
スパルタ遺跡を訪れる際の注意点は下記のとおりです。
- 暑さ対策をしっかりする
- 水分を持参する
- スパルタについて勉強しておく
ギリシャは日差しが強いので、サングラス・帽子・日焼け止めの3種の神器をお忘れなく。
また、スパルタ遺跡内は店など何もありません。
遺跡を出て5分ほど歩けばカフェなどがありますが、水分を我慢すると危険なので、忘れず持参しましょう。
最後に、スパルタ遺跡は無料なだけあって、半分公園みたいなものです。笑
知識なく感動できる遺跡ではないので、しっかりスパルタについて勉強してから遺跡を訪れましょう。
■首都アテネから日帰りで行ける絶景はいかがでしょうか?
7.まとめ
スパルタ遺跡はかなり地味で公園みたいな遺跡ですが、厳しく質素な古代スパルタ王国の遺跡と思うと、確かに大きくて豪華な遺跡よりも納得感があります。
派手な見ごたえはありませんが、レオニダス王の伝説やスパルタ教育など、歴史を知ると非常に楽しめる遺跡ではあると思います。
ギリシャ旅行でお時間に余裕がある方は、ぜひスパルティの街にも足を伸ばしてみてください!
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