エジプト屈指の観光都市である、ルクソールについてご紹介します。
ルクソールには、王家の谷やカルナック神殿など、非常に有名な遺跡がたくさんあります。
しかし、ルクソールはまだまだ発展途上の都市で、特に交通の面で難しい部分があります。
そういった交通情報をはじめとして、観光スポットへのアクセス、料金、見どころなどをまとめています。
※この記事は2023年11月時点のレート、1エジプトポンド(EGP)=約5円、1米ドル=約150円で計算しています。
エジプトの観光記事はこちらをご覧ください!
・エジプトの料理・治安・Wifi・交通などの旅行情報まとめ!
・エジプト・ギザのピラミッドのチケット・観光情報をご紹介!
・【エジプト・ルクソール】カルナック神殿の見どころ9選を写真つきでご紹介!
・アブシンベル神殿の料金・見どころ・行き方を紹介!
目次
1.ルクソールの基本情報
ルクソールはエジプト南部にある、首都カイロに次ぐ第二の都市です。
カイロからは約500kmも離れていますが、カイロよりも観光スポットが豊富なため、多くの観光客が訪れています。(私の印象だと、カイロより外国人が多かったです)
そんなルクソールですが、街の発展具合としては、カイロよりまだまだ発展途上感が否めません。
冒険っぽい旅行がお好きな方は問題ありませんが、なるべく快適に旅行したい方はしっかり下調べしてからルクソールに行きましょう!
ぜひ、5.ルクソールの注意点も読んでくださいね!
ちなみに、ルクソールの所要日数は1日〜2日です。
私が記載している場所すべてに行こうと思うと2日かかります。
◆Youtubeでもルクソールをご紹介しています!
2.アクセス情報
2-1.観光スポットへの行き方
ルクソールの主要な観光スポットは、ナイル川を挟んで下記のように位置しています。
<ナイル川東岸>
カルナック神殿、ルクソール神殿、ルクソール博物館、ミイラ博物館など
<ナイル川西岸>
王家の谷、王妃の谷、ハトシェプスト女王葬祭殿、ラムセウム、メディネットハブなど
どちら側にも宿泊施設はあります。
どちらに泊まったとしても、大抵の方は東岸と西岸を日によって行き来することになると思います。
ここで重要になるのが、ルクソール市内ではナイル川に橋がかかっていないということです。
つまり、車で東岸と西岸を行き来するのではなく、船に乗る必要があります。
船に乗って対岸に着いた後、東岸の観光スポットはそれぞれがそんなに離れていないので、タクシーを使っても高額にはなりません。
問題は西側です。
西側の観光スポットはそれぞれが下記のようにかなり距離があるので、徒歩では厳しいです。
王家の谷 ⇔ フェリー乗り場…約10km
王家の谷 ⇔ ハトシェプスト女王葬祭殿…約7km
ハトシェプスト女王葬祭殿 ⇔ ラムセウム…約2km
ラムセウム ⇔ メディネットハブ…約1.5km
メディネットハブ ⇔ 王妃の谷…約1.5km
ということで、タクシーを1日チャーターすることが多いと思います。
しかしながら、ルクソールではUberは使えません。
大変ですが、直接交渉して乗るしかありません。
各交通の料金見本(実際は交渉による)
・パブリックフェリー
1人片道7.5EGP(約38円)
・個人フェリー ※1
1人片道10EGP(約50円)
・タクシー 1日チャーター ※2,3
600〜800EGP(約3,000円〜約4,000円)
※1 個人フェリーの方が小さいので、より早く乗客が埋まり、早く出港してくれます。
(定期運行ではなく、ひたすら客を呼び集めて何本も運行しています)
※2 タクシー1日チャーターの交渉は60米ドル(約9,000円)から始まり、最終的に約4,000円まで落ちました。
※3 とにかくドルで払ってほしいようですが、エジプトポンドでも払えます。エジプトポンドの方が少し高くつきます。
ナイル川西岸の自転車での移動は可能?
自転車をレンタルして回れるという意見もありますが、絶対にオススメしません。
ナイル川西岸の観光スポットは非常に多い上に、太陽の照りつけもキツく、気温も暑く、そして足腰も使うので、とにかく疲れます。
その上、観光スポット間は歩いている人も自転車の人もいません。車のみです。
結構精神的にもきついと思います。
体力に非常に自信がある人は楽しい経験になると思いますが、大抵の方は観光スポットを楽しむ余力なく疲れ切ってしまうと思います。
(私達はタクシーチャーターしてもヘトヘトになりました。)
観光を楽しむためにも、お金を払ってタクシーに乗りましょう!
2-2.ルクソールの街への行き方
他の都市と行き来する主要な交通手段は電車になります。
…が、電車は2022/12より外国人料金が導入されたため、かなりチケット代が高いです。
(古い記事だと安いのですが、今はその料金では乗れません)
カイロ⇔ルクソール間はバスも走っていますが、ルクソール⇔アスワン間はバスがありません。
(宿の人や街中のツアー会社をいくつも回って聞きましたが、ありませんでした)
ですが、実はルクソール⇔アスワン間をタクシーで移動するという方法もあり、2人以上で旅行するならタクシーの方がオススメです!
約4時間もタクシーに乗ることになるのですが、なんと2人以上なら電車代2人分より安いんです。
しかも電車より楽で、プライベートを保つことができるというメリット付きです!
各交通の料金見本
タクシーとの比較のため、すべて2人分の料金で記載しています。
<電車>
・カイロ⇔ルクソール
189米ドル(約28,350円)
・ルクソール⇔アスワン
82米ドル(約12,300円)
<タクシー>
ルクソール⇔アスワン…1,500EGP(約7,500円)
※タクシーはホテルのオーナーに相談して手配してもらいました。
大抵のホテルは口コミ評価を気にするので、あまり相場より高すぎる金額にはならないと思います。
でもやっぱり電車旅したいな…という方は、こちらから電車のチケットの予約ができます。
■カイロ ⇔ ルクソール・アスワン間
Abelatrains
ルクソール ⇔ アスワン間はAbelatrainsでチケットが買えません。
直接窓口購入になります。
Abelatrainsはチケットの印刷は不要です。
携帯の画面にチケットのPDFを表示して見せればOKです。
3.ルクソールの観光スポットのチケット
3−1.料金
各観光スポットの金額を載せています。(2023年11月時点の情報です)
金額は変わる可能性があるので、最終的に公式サイトを確認するのがおすすめです。
クレジットカードのみ支払い可能です。(現金は不可)
■公式サイトはこちら!(Web購入も可能)
egymonuments
ルクソールの全スポットのチケットが含まれた「ルクソールパス」についての説明は、下記の記事をご覧ください。
【2023/11最新】カイロパスとルクソールパスを徹底解説!料金、含まれる場所、購入方法など
スポット | チケット代 |
---|---|
王家の谷 | 400EGP |
-セティ1世の墓 | 1400EGP |
-ツタンカーメンの墓 | 360EGP |
-ラムセス5世、6世の墓 | 120EGP |
-アイの墓 | 100EGP |
王妃の谷 | 120EGP |
-ネフェルタリの墓 | 1600EGP |
ラムセウム | 120EGP |
ハトシェプスト女王葬祭殿 | 240EGP |
メディネットハブ | 140EGP |
デル・エル・メディナ | 140EGP |
カルナック神殿 | 300EGP |
ルクソール神殿 | 260EGP |
ルクソール博物館 | 200EGP |
◆合計◆ | ◆5,500EGP(約37,500円)◆ |
3-2.チケット売り場
ルクソール西側の観光スポットはチケット売り場が変則的です。
(東側はすべてそれぞれの観光スポットの入り口で購入できます。)
王家の谷や王妃の谷は、それぞれのスポットでチケットを購入できますが、貴族たちの墓やデル・エル・メディナ、ラムセウムはそれぞれのスポットではなく、共同のチケット売り場で購入する必要がああります。
タクシーをチャーターする場合、行きたい観光スポットを言えば、必要に応じて共同のチケット売り場に連れてってくれると思いますが、一応ご注意ください。
<個別のチケット売り場があるスポット>
・王家の谷(個々の墓は王家の谷入り口にて購入)
・王妃の谷
・ハトシェプスト女王葬祭殿
<共同のチケット売り場になっているスポット>
・メディネットハブ
・ラムセウム
・デル・エル・メディナ
・貴族たちの墓
・メルエンプタハ神殿
・セティ1世神殿
・カーターの家
■共同のチケット売り場
4.主要な観光スポット
4−1.王家の谷
歴代の王たちの墓が密集する谷が「王家の谷」です。
古代エジプトの新王国時代、トトメス1世(第18王朝)から王の墓がこの谷に作られるようになり、現在では64もの墓が見つかっています。
なぜこの谷にこんなに密集して墓があるのかというと、2つ理由があります。
まず1つの理由としては、ナイル川西岸というのは「死者の世界」と考えられていたからです。
太陽は東から昇り西に沈むため、ナイル川を挟んで東側が生者の世界で、西側が死者の世界と考えられていました。
そして、もう一つの理由としては、盗掘を防ぐためです。
王家の谷より前の時代の王の墓であるピラミッドなどは、あまりに目立ちすぎるため、常に盗賊に狙われていました。
そのため、見つかりづらい谷を選んだと言われています。
初期のお墓は、盗賊に見つからないよう、隠された作りになっています。
しかし、徐々に王の墓が王家の谷に作られることは周知の事実になってきたため、墓守を雇い、むしろ堂々とお墓を作るようになったそうです。
ちなみに、上記の苦労虚しく、ほとんどの王の墓は盗賊に見つかり、墓の中の埋葬品やら装飾やらが盗まれてしまっています…
日本でも有名なツタンカーメン王は、王として無名だったがために、墓が小さく、あまり盗難に済んだと言われています。
この王家の谷はエリアチケットを買うと、3つのお墓を選んで入れる仕組みになっています。
また、人気のお墓(セティ1世・ラムセス6世・ツタンカーメン)は別料金となります。
■王家の谷の詳しい記事はこちら!
4−2.王妃の谷
王妃の谷は歴代の王妃たち、またはその息子や娘たちのお墓が密集している谷です。
現在では約80もの墓が見つかっており、その中でも一番有名なものはネフェルタリの墓です。
ネフェルタリはエジプトで最も偉大な王である、ラムセス2世の正妃であり、寵愛していた妻でした。
その墓は「エジプトで最も美しい墓」とも「エジプトで最も高額な料金の墓」とも言われています。
その料金はなんと1,600EGP(約8,000円)!!
しかも入れる時間はたったの10分!
なんでこんなに高額な上に制限が多いのか?
それはエジプト政府がこの美しいお墓の保存を重視したためです。
「観光資源としてがっぽり稼ごう!」というよりは、オーバーツーリズムを懸念して、チケット代を高額にして制限も設けることで、「この墓に入る観光客を減らして、墓の保存を優先しよう」という意図だそうです。
墓の中は非常に保存状態の良い絵を見ることができます。
修復はされているものの、着色等はしていないそうです。
4−3.ハトシェプスト女王葬祭殿
「歴史から消された女王」として有名なハトシェプスト女王の葬祭殿です。
義理の息子であり、ハトシェプスト女王の次の代の王であるトトメス3世によって、ハトシェプスト女王の痕跡は徹底的に消されました。
この葬祭殿も彼女の名前は削られてしまっています。
トトメス3世がなぜこんなことをしたのかと言うと、この頃のエジプト王朝には「女性がファラオになるべきではない」という考え方があったためです。
本来は、父であるトトメス2世の統治後、トトメス3世がそのままファラオになるはずでした。
…が、トトメス2世がなくなったのが早すぎたために、義理の母であり、トトメス2世の妻であるハトシェプスト女王がファラオの座につくことになったのです。
(ハトシェプスト女王自体も出自は王女)
こういったストーリーから、ハトシェプスト女王葬祭殿はかなり有名な観光スポットなのですが、実際見てみると若干期待外れ感はありました。笑
思ったより見る場所が少なく、また削られてしまっているため装飾も少なかったです。
(「削られていること」が見どころなのでしょうが)
有名な観光スポットなので、料金も結構高いです。
行かれる際は過度な期待をしないほうが良いかと思います。笑
4−4.ラムセウム
エジプトで最も偉大な王であり、建築王とも呼ばれるラムセス2世が作った神殿です。
ラムセス2世の治世時代には、すでにたくさんの王の墓が王家の谷にありましたので、王家の谷に参拝するときに、合わせて参拝する神殿としての役割を担っていました。
多くの観光客は王家の谷とハトシェプスト女王葬祭殿、そして王妃の谷のみ回って終わってしまうようで、ラムセウムは観光客が非常に少なかったです。
(私達以外にもう1人しかいませんでした。)
しかし、かなり見ごたえのある遺跡で、倒れている超巨大な彫像や、オシリス像、列柱室など見て圧倒されるものが多かったです。
穴場のスポットなので、ぜひ行ってみてください!
4−5.メディネットハブ
ハブテンプルとも呼ばれる、ラムセス3世の葬祭殿です。
ラムセス3世は後の王に自分が作った建造物の名前を書き換えられないよう、神殿などに自身の名前を彫らせるときはめちゃめちゃ深く彫らせていました。
名前を書き換える?
そうなんです、古代エジプトでは名前の書き換えというのはよくあったそうなんです。
「歴代のファラオはつながっている」という考え方があったので、「昔のファラオが作ったもの≒昔の自分が作ったもの」とごく自然に書き換えがされていたそうです。
建築王として有名なラムセス2世も、よく書き換えをしていたそうです
さて、メディネットハブはチケット代が安いのに、見ごたえのある遺跡です。
まず神殿自体が大きいですし、隣接して王宮跡地もあります。
海の民との戦いを描いたレリーフや、美しい色が残る柱も素晴らしいです。
(ハトシェプスト女王葬祭殿より断然きれいで楽しい)
こちらもぜひ行ってみていただきたいです!
4−6.デル・エル・メディナ
こちらは日本語だと労働者たちの墓と呼ばれる場所です。
その名の通り、王や貴族ではなく、王家の墓に従事していた労働者たちがまとめて埋葬されていた場所です。
3つの集合墓地があり、3つとも見ることができます。
これが意外と綺麗に絵が残っていて、かなり面白いです。
農作業をしている絵などは王の墓では見られません。
どの墓もかなり狭い通路をかがんで通ることになり、また行き着く先もかなり狭い部屋です。
閉所恐怖症の方などはキツイと思います。(閉所恐怖症ではないですが、若干きつかったです)
しかし、こんなに綺麗に絵が残っているのはなかなか見られませんので、こちらも訪れることをおすすめします。
神殿エリアもすぐ近くにあります。
4−7.貴族の墓
こちらは古代エジプトの神官や宰相などの墓です。
いくつかの貴族の墓があり、かなり広範囲にまたがっています。
チケットはそれぞれ購入する必要があります。
特に有名なのは下記3つです。
- ナクトの墓(女三楽士の絵)
- ラモーゼの墓(泣き女の絵)
- センネフェルの墓(ぶどうの絵の天井)
4−8.カルナック神殿
国家神であるアモン・ラーに捧げた神殿で、エジプト中王国時代(紀元前21世紀〜紀元前18世紀後頃)に着工され、その後約2000年に渡り歴代のファラオたちによって増築されてきた神殿です。
非常に大きな神殿で、その大きさはなんと東京ドーム7個分!
世界最大の神殿とも言われています。
見どころがとても多く、回るのに2時間ほどかかりました。
珍しい羊顔のスフィンクス、圧巻の大列柱室、ヒッタイトとの和平条約の碑文、オベリスク、至聖所、アレクサンダー大王の至聖所など…書ききれないくらいです。
間違いなく、ルクソールに行ったら外せない観光スポットです!
■カルナック神殿の詳しい記事はこちら!
4−9.ルクソール神殿
カルナック神殿の副神殿として建てられたのがルクソール神殿です。
カルナック神殿からは2.5km離れていますが、スフィンクス参道で繋がっています。
このルクソール神殿は、建築王ラムセス2世によって建てられ、年に一度アモン神が妻であるムト神と過ごす「オプト祭」に使用されました。
また、このルクソール神殿にあったオベリスクのうちの1つは、19世紀にフランスへプレゼントされ、現在はパリのコンコルド広場にあります。
5.ルクソールの注意点
5-1.Uberが使えない
ルクソールではタクシーアプリ、Uberは使用できません。
(実際使ってみましたが、タクシーは全くヒットしませんでした。)
残念ながら直接交渉するしかありません。
エジプトのタクシーの注意事項や料金見本をまとめているので、こちらもぜひご覧ください。
5-2.チケットはクレジットカードでしか払えない
3.ルクソールの観光スポットのチケットでも記載しましたが、エジプトの観光スポットは現金での支払いができません。
クレジットカードを忘れずに持っていくようにしてください!
5-3.体調管理気をつける
当たり前じゃんって感じですよね。
でも想像の何倍も暑いので、本当に気をつけてください!
王家の谷周辺も、カルナック神殿も太陽の照りつけがきついです。
そして11月だろうが、真夏みたいな暑さでした。
水分、帽子、サングラス、日焼け止めをお忘れなく!
5-4.思わぬチップ要求に気をつける
エジプトの観光スポットでは、「え、これお金要求されるの?」ということがたくさんあります。
トラブルになりそうなお金関連の情報をまとめましたので、こちらもご覧ください。
6.まとめ
ルクソールのは王家の谷をはじめとして、エジプトの中でも1番多くの観光スポットがある街です。
Uberが使えない、ナイル川を車で渡れない…などの不便さもありますが、やはりエジプトに来たらルクソールは外せません。
この記事を読んで、準備万全の状態でルクソールを楽しんできてください!
■こちらも要チェック!
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